体外受精の費用:まず「ステップ別の費用構造」を理解する
不妊治療の保険適用ルール(公式情報)を確認する
こども家庭庁の「不妊症・不育症 みんなで知ろう」サイトで最新の保険適用条件を確認できます
こども家庭庁の公式情報を見る →※リンク先は外部の公式サイトです。
体外受精(IVF)の費用は「1回いくら」ではなく、複数のステップごとに費用が発生する構造になっています。大きく分けると以下のステップです。
①検査フェーズ(最初の精密検査・血液検査・卵管通気検査など)、②採卵フェーズ(排卵誘発剤・採卵手術・培養・凍結)、③移植フェーズ(ホルモン補充・移植手術)、④妊娠判定フェーズ(判定日・継続管理費)。
これに加えて、毎回の通院のたびに「診察料・注射代・薬代」がかかります。
1サイクル(採卵1回)あたりの費用は、保険適用前の自費診療でおおむね30〜60万円(採卵・培養・凍結・移植をすべて含む総費用)と言われていましたが、クリニックによって大きく差があります。
私が通っていたクリニックの実際の費用を以下に公開します。
私の実際の費用:1サイクルの内訳(自費診療時代)
保険適用前(2022年3月以前)に行った採卵サイクルの費用内訳です(概算)。
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| 項目 | 費用(概算) |
|---|---|
| 排卵誘発剤(注射・内服) | 約60,000〜120,000円 |
| 採卵手術 | 約100,000〜150,000円 |
| 培養・胚盤胞培養 | 約30,000〜80,000円 |
| 凍結保存 | 約30,000〜50,000円 |
| 移植(ホルモン補充含む) | 約80,000〜150,000円 |
| 通院費(診察・血液検査)×複数回 | 約30,000〜60,000円 |
| 1採卵サイクル合計(採卵〜移植1回まで) | 約330,000〜610,000円 |
これはあくまで「1サイクル(採卵1回+移植1回)」の費用です。採卵した胚が複数ある場合、凍結してある胚をさらに移植する「凍結胚移植」では採卵費用はかからず、移植費用(8〜15万円)のみになります。
累計でかかった総費用(概算)
私が治療でかかった費用の概算を正直に書きます。保険適用前の自費診療時代を中心とした数字です。
タイミング法・人工授精(AIH)の時期:累計約30〜50万円。体外受精(IVF)に移行してから:採卵サイクル複数回+凍結胚移植複数回で、累計約200〜250万円。その他の通院費・薬代:約30〜50万円。
合計すると、累計250〜350万円程度(記録した範囲)になります。クリニックの選択・採卵回数・使った薬のプロトコルによって費用は大きく変わりますが、複数回の採卵を経験した場合は数百万円になることは珍しくありません。
「こんなにかかるの?」と思った方に伝えたいのは、「年間100万円弱というのは、1ヶ月あたり8〜9万円のペース」ということです。
月単位で見ると、治療の集中した月(採卵がある月)は20〜40万円、移植月は10〜15万円、通院のみの月は3〜5万円というばらつきがありました。
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保険適用(2022年4月〜)の影響
2022年4月から体外受精を含む不妊治療が保険適用になりました。これにより自費診療と比較して費用が大幅に下がっています。
保険適用後の体外受精の自己負担(3割)は、採卵〜移植1サイクルで約11〜15万円が目安です(従来の自費診療30〜60万円と比較して大幅減・出典:各クリニック公表料金 2026年5月時点)。
📋 保険適用の条件(2026年5月時点・厚生労働省/こども家庭庁)
- 年齢制限:治療開始日の女性年齢が43歳未満であること
- 回数制限:初めての胚移植術の治療計画作成時の年齢が
- 40歳未満 → 通算6回まで
- 40〜43歳未満 → 通算3回まで
- 出産または妊娠12週以降の死産後は、次の児の治療として同じ回数権利が再付与
- 「1回」は胚移植を行った時点でカウント。採卵・受精・凍結まではカウント外
私の治療は保険適用前後にまたがっていたため、後期の移植は保険適用で行いました。「保険適用になってから治療を始めた」方は費用の負担が大幅に軽減されているはずです。
自治体の助成金:申請方法と金額
保険適用前の時代は「特定不妊治療費助成事業(国の助成)」が存在しました。現在は保険適用に移行したため廃止されていますが、自治体独自の助成(上乗せ助成)が残っている場合があります。
お住まいの自治体で「不妊治療 助成金」と検索するか、市区町村の担当窓口(健康・子育て部門)に問い合わせて確認してみてください。自治体助成については不妊治療の助成金申請体験も別記事で書いています。
費用を少しでも抑えるために実際にやったこと
高額な治療費の中で、私が実際に取った費用対策をいくつか書きます。
転院の検討:クリニックによって同じ治療でも費用が異なります。私は1回の転院を経験しましたが、転院後のクリニックの方が採卵あたりの費用が低く、かつ実績も高かったです。
「今のクリニックが高いかも」と感じたら、他院の料金表を確認してみることは無駄ではありません。
高額療養費制度:保険適用後の体外受精では高額療養費制度の対象になります。1ヶ月の医療費が上限を超えた分は返ってきます(または限度額適用認定証を使って最初から上限額のみ支払う)。
医療費控除:確定申告での医療費控除が使えます。1年間の医療費が10万円を超えた場合(所得の5%を超えた場合)に所得から控除できます。不妊治療費は全額対象になります。領収書を年間通じて保管しておくことが必須です。
体外受精で双子になった確率の話は体外受精で双子になる確率の記事で書いています。不妊治療を続けるか・やめるかの判断については不妊治療をやめるタイミングの記事も参考にしてみてください。